エクスペリエンスビジョン本・・・ビジョン提案型デザイン手法がついに発売


日本人間工学会のアーゴデザイン部会の先生方が編集されたビジョン提案型デザイン手法本「エクスペリエンスビジョン」(丸善出版)がついに発売になりました。
発売よりも一足早く、事例を執筆した僕のところに届いた本を見ると、なかなか読み応えあります。
教科書的な部分もありますが、後半は参考書的な部分もあり、「ペルソナ手法を学ぶにはどんな本がいいですか?」という質問に、明確な答えとして出せそうな本です。


私も事例執筆として参加したのですが、実はこの本のプロジェクトがスタートしたのは?年くらい前で、事例として書かせていただいたものも、その時点で成果が見られたものを提供しました。
その頃からさらに事例は増えてきて、様々なプロジェクトや方々へペルソナ手法(本の中ではビジョン提案型デザイン手法)を行いました。


その事例、例えば・・・
最高齢のお客様:
 91歳の経営者に使っていただき、喜んでいただきました。 わかりやすかったせいか、非常に理解が早く、すぐに実戦されていました。


最年少のお客様:
 中学生1年生に将来のビジョン作りの講義を行いました。 将来に向けたビジョンが明確になると、目の輝きが変わる・・・それを目の当たりにして、教育の大切さを知りました。


店舗作り:
 新しく作る店舗のお話で、店舗のコンセプトや接客体制など全体のコーディネートをペルソナ手法で行いました。 今からオープンが楽しみです。


組織活性化できる組織デザイン:
 相関ペルソナを使ったBtoBのペルソナ手法と、時間軸を使ったペルソナ手法を融合させた組織デザイン用のペルソナ手法を使いました。 これにより、このお客様の会社ではリストラよりも組織強化に目が向かい、業績アップのための動きができました。


5S活動のためのビジョン作り:
 実は元メーカー品質保証部の私にとって、5S活動は慣れ親しんだものではありますが、なかなか現場では浸透しないと言う問題がありました。 たまたま依頼があり、そこで行ったのは5Sが何のために行うのかをペルソナ手法を生かして浸透させることでした。 参加者からは「目からウロコでした」と言われました。


非常に大きなプロジェクトのコンセプト作成:
 企業規模もプロジェクトの規模もこれほど大きいものはもうないかも?と思うほどプロジェクトです。


アプリケーションソフトの開発支援:
 開発会議に参加して、ペルソナ手法による開発支援を行いました。 会議の中では、開発者同士がかみあっていなかった部分があったのですが、ペルソナ手法を使うことによってスムーズになり、利用者視点で非常に魅力的なアプリが出来上がりました。


行政へのペルソナ手法応用:
 既に学会などで発表しましたが、できるだけ多くの人がペルソナ手法を使えるように工夫した簡易ペルソナ手法を用いて、岡山県庁の中長期施策の検討会議に使っていただきました。 与えられた時間が短いにもかかわらず、参加した岡山県民を代表する方々からは、「この方法はわかりやすい」「議論しやすかった」「参加した価値があった」などの評価を頂き、主催された岡山県庁の方からもまとめやすかったということで好評でした。


大学生にシステム開発の要求定義を学んでもらう:
 愛媛大学の大学院で講師をさせていただきました。 ICTスペシャリスト育成コースなので、SEやプログラマーなどIT関連企業に勤める社会人大学院生や大学院生を対象にヒューマンインターフェースという軸でシステムの要求定義を出して行こうとまとめました。 さすが優秀な学生、飲み込みも早かったのですが、彼らが出してきた案はそのままサービス化してもいいなあと思うような内容でした。 ベンチャービジネスの講義でもこのまま使えそうな内容でした。


などなど、まだまだ書ききれないですね。 その内一つ一つをきちんとまとめてお話して行こうと思います。